数多くの俳優やアーティストを撮影してきたフォトグラファー中川真人氏が、憧れの人の本当の姿を引き出す「まことのはなし」。今回のゲストは数々の名作に出演し続ける一方、バラエティ番組での気さくな笑顔も印象的な俳優の高橋ひとみさんです。
いまの年齢だからこそ、心から楽しめることに時間を使いたい(高橋)
中川さん(以下敬称略) 8月からは新しい舞台『CAKUGO愛と憎しみと追憶と沈黙のミス・フローレンス』も始まりますね。
高橋さん(以下敬称略) 『ハリー・ポッター』とはまったくテイストが違うので、また新しい楽しみ方ができそう。芸人さんも大勢出る賑やかな作品で、稽古が待ち遠しいですね。
中川 高橋さんにとって、舞台の楽しさはどんなところにありますか?
高橋 やっぱり、時間をかけて作り込んでいけること。去年、『ハムレット』で初めてシェイクスピアに挑戦したんです。シェイクスピアって自分とはほど遠い存だと思っていたけど、その舞台がすごく楽しくて。世界中で上演され続けている古典だからこそ、設定が現代のマンションの一室になったり、国王が社長に置き換わったり。いろんな解釈が生まれるのも面白いですよね。新作はもちろん、古典も積極的に挑戦したくなりました。
中川 先ほどジムに行ったことがないとおっしゃっていましたが、撮影中の立ち姿がとても美しくて。どのように体力作りをされているんですか?
高橋 つい最近、ゴールデンレトリバーの子犬「ゆず」を迎えたばかりなんです。毎朝5時に起きて、2時間くらいは散歩するので、それが唯一の運動です(笑)。
中川 インスタグラム、拝見しました!とっても可愛い子ですね。
高橋 ゴールデンレトリバーが4代目で、子どものころから犬は飼っていてゴールデンの前は柴犬やコッカスパニエルを飼っていました。年齢的にも、この子が最後の犬だと思っているので、いままでの犬以上に幸せにしたい。家も建て直して、足の洗い場や滑りにくい床を取り入れたんです。
中川 まさに“犬ファースト”ですね。
高橋 ほかに趣味がないんですよ。母は和裁に料理、お花、踊り……と多趣味でしたが、私はひとつも受け継がなくて。家を建て替えてからは1回も包丁を使ってません。夫にも「その材料費で外食しよう」と言われて、もう作ってやるもんか! って(笑)。昔はお母さん役でお料理をするときに、リアリティがないと困るだろうと思ってやっていたけど、最近はそういう機会も減っていますし。
中川 無理に作る必要もないですしね。
高橋 そうなんです。いまの年齢だからこそ、時間を楽しいことに使いたい。周りには犬の保護活動を始めた友人もいて。私も楽しみながら世の中の役に立てるなにかを、少しずつ探したいですね。
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