スキンケアで美しい肌になりたいとは誰もが思うこと。ならばより上手にお手入れするために、少し踏み込んで美容を学んでみませんか。今回は肌について学びます。肌の構造を知ることで、化粧品を選びやすくなります。また、肌悩みの疑問に答えるQ&Aも。トラブルがどうして起こるのかを知ると、お手入れのヒントが見つかるかも!
大人の美容学とは……
肌の老化やシミ、シワの原因から、化粧品の成分やその役割まで、意外と知っているようで知らない美容のこと。「大人の美容学」では、美容の知識を増やし、納得して化粧品を選んだりケアを行ったりできるような学びの企画を不定期連載でお届けします。
肌の変化を知ることが化粧品選びのコツ
肌の構造を知って、化粧品の解説を読むと、「このコスメはこう働く」とわかって、選びやすくなります。では、実際に肌に合っているかどうかの見極め方は?
「いちばんいい状態のときの肌を覚えておいて、いまの肌と比べてください。つっぱらないか?なめらかか?乾燥しているか?例えば新しい洗顔料を使って、つっぱる感覚があったら、それは合っていないということ。いつもと違うサインを見逃さないで!
素敵世代は、すでにいろいろなお手入れをしてきた経験のある世代。ご自身の肌をもっともよく知っているのはご自身です。ご自身を信じて選んでいただきたいと思います」(大庭美保子さん※以下同)
また人がいいと言ったからといって、自分にも合うとは限らないので、サンプルなどで試して、自分自身で確かめることも大切です。
「そしてふたを開けたり、手に取り出したときに、『この香りに包まれたい』『このテクスチャーを使いたい』という感覚が得られることも大事。化粧品はきれいになるために使う、自分へのご褒美なのですから、ご褒美と感じられるものを選びましょう」。
一方で、特に毎日使う基礎化粧品は、「お高いものなので少しずつ使う」では手応えが得られにくいので、正しい容量、回数を使えるものを選択して。
「手間と時間をかけてケアすれば、肌は裏切りません。肌に合う化粧品で日々心地よくケアしていただきたいですね」
素敵世代の肌悩みの疑問に答えるQ&A
たるみ、シワ、くすみ……と素敵世代の悩みは尽きません。トラブルがどうして起こるのかを知ると、お手入れのヒントが見つかるかも!
Q.肌のハリがなくなるのはなぜ?
A.「加齢で肌のハリは低下していきます。ハリのもとであるコラーゲンやヒアルロン酸は、真皮にある細胞が作り出していますが、加齢によって、作る量もできたものの質も低下してくるからです。また紫外線でコラーゲンなどがダメージを受けることも、ハリが失われる原因です」。そのほか、表情筋の機能の衰えも肌のゆるみにつながるので、表情を豊かにすることも意外と大切。
Q.シミができてしまう原因は?
A.「紫外線ダメージが蓄積すると、肌が慢性的に炎症状態に。肌の中でメラニン生成を指令する物質が作られ、メラノサイトが興奮状態になって、メラニンが過剰に生成されます。これがいちばん大きな原因です。加えて、ホルモンのアンバランスで起こるシミも」。できたメラニンはターンオーバーで排出されるものの、その速度が落ちて、メラニンが肌に長く留まり続け、頑固なシミに変わることもあります。
Q.なぜ年齢を重ねると肌がくすむの?
A.「乾燥して水分量が低下し、キメが乱れると、肌の中に入った光がきれいに反射されず、くすんで見えます。さらに紫外線を浴びて、メラニンの量が増えれば、肌は黒ずんで感じられますし、ストレスなどで血行が悪くなれば、毛細血管の中の血流が滞って肌の赤みがなくなり、くすんできます」。年齢を重ねるにつれ、こうした原因が複合的に重なってくすみが現れるのです。
Q. 肌を保湿したほうがいい理由は?
A.肌をしっとりさせるのに保湿が必要なのはわかりますが……。「透明感を保つには、キメを整え、ターンオーバーが乱れて角層が厚くなる『重層化』を防ぐ必要がありますが、そこでも保湿は必須。そしてハリにも肌表面のなめらかさが関係しているので、やはり保湿ケアは大事です」。さらに、潤えば小ジワが目立たなくなる、紫外線を受けても、ダメージが少なくなるといったメリットが。
文/入江信子
※素敵なあの人2025年10月号「【不定期連載】大人の美容学PART1 私たちの肌の「構造」と「機能」ガイド」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。