メルマガ

年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い 素敵なあの人Web

素敵なあの人 2025年10月号

素敵なあの人 最新号

2025年10月号

2025年8月16日(土)発売
特別価格:1690円(税込)
表紙:黒田知永子

素敵なあの人 2025年10月号

公開日:

【60代ヘルスケア】つらい「耳鳴り」はなぜ起こる?原因3つとセルフケア3選をご紹介!【薬剤師監修】

「最近、耳の奥で“キーン”という音が止まらない」「金属音が聞こえる気がする」——そんなお悩みはありませんか? 日常生活のなかで、ふとした瞬間に気になる「耳鳴り」。

今回は、そんな耳鳴りに悩む人へ、原因とともに、無理なく毎日の生活に取り入れられるセルフケアや漢方の活用法をご紹介します。

「耳鳴り」が起こる原因は?

「耳鳴り」が起こる原因は?

耳鳴りとは、外から音がしていないのに「音が聞こえる」状態を指します。耳鳴りは気になり始めると不安感を誘い、心まで疲れてしまうことも。まずは、その原因を探ってみましょう。

【1】加齢による聴覚の変化

年齢とともに、内耳にある音を感じる細胞「有毛細胞」が徐々に老化し、音を正しく脳に伝える力が弱まりやすくなります。すると、脳は少なくなった音を補おうとして、あたかも「音が鳴っている」かのような信号を作り出すことがあります。これが、耳鳴りの原因のひとつです。

こうした状態は「加齢性難聴」と呼ばれ、加齢に伴う自然な変化として起こることが多い耳鳴りです。

【2】自律神経の乱れ

女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少し、自律神経のバランスが乱れやすくなることも、耳鳴りの原因のひとつです。

とくに、女性の場合、更年期以降はエストロゲンの分泌が大きく減少します。さらに、ストレスや疲労、睡眠不足などが重なることで、自律神経のバランスが崩れやすくなります。

自律神経が乱れると血流が滞り、耳の周囲の神経が過敏になることで、耳鳴りがあらわれるのです。

【3】生活習慣病や薬の影響

高血圧や糖尿病などの生活習慣病があると、内耳への血流が悪くなり、耳鳴りを引き起こしやすくなります。

また、治療で使われる薬のなかには、アスピリンや一部の抗生物質のように、耳鳴りの副作用を引き起こすものもあります。気になる場合は、かかりつけ医に相談し、薬の種類や用量の調整について確認するといいでしょう。

23 Pages

日常生活でできる!耳鳴りの改善に役立つセルフケア3選

日常生活でできる!耳鳴りの改善に役立つセルフケア

耳鳴りは、日々の暮らしのなかで無理なくケアすると、軽減できることがあります。具体的なセルフケアを紹介します。

【1】適度に運動する

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動で全身の血流を促進し、耳周辺の血流もよくすることは、耳鳴りの緩和に役立ちます。運動にはリラックス効果もあるため、自律神経を整える働きも期待できます。

ポイントは、運動を無理なく、毎日の習慣として続けることです。朝や夕方の過ごしやすい時間に15〜30分程度散歩したり、就寝前にストレッチしたりするだけでも効果が期待できます。

【2】規則正しい生活を心がける

規則正しい生活リズムを心がけ、疲労や睡眠不足を解消することも、耳鳴りの改善に効果的です。朝起きる時間と寝る時間をなるべく一定に保ち、食事も決まった時間に摂るように意識しましょう。

また、深呼吸やアロマ、入浴、やさしい音楽を聴きながらのリラックスタイムは、心身の緊張を緩め、自律神経のバランスを整えてくれます。自分にとって「ホッとできる時間」を意識して確保しましょう。

【3】ツボを押す

耳鳴りにはツボ押しも役立ちます。耳鳴りにおすすめなのが、「翳風(えいふう)」というツボです。

ツボを押す

翳風は下顎の骨と耳たぶの間に位置するツボで、耳の後ろのくぼんだ部分にあります。耳の周辺の血流をよくして耳内の神経の緊張を和らげる効果があり、肩こりや頭痛などにも効果が期待できます。

押す際は左右を同時に押してみましょう。

33 Pages

耳鳴りには漢方薬もおすすめ

耳鳴りには漢方薬もおすすめ

耳鳴りに対しては、漢方薬の力を借りるのもひとつの方法です。漢方薬は心とからだのバランスを整え、不調の根本からアプローチすることを得意としています。飲むだけでいいため、セルフケアをする時間がない場合にも続けやすいのが魅力です。

耳鳴りには「血流を改善して内耳や神経の機能を回復する」「水分代謝をよくして内耳のむくみを改善する」「自律神経の乱れを整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

耳鳴りにおすすめの漢方薬

七物降下湯(しちもつこうかとう)
血管を広げて血流をよくし、加齢で衰えた内耳器官に栄養を補い、高血圧に伴う耳鳴りを改善する漢方薬です。顔色が悪くて疲れやすく、胃腸障害がない人に使われます。

● 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血流や水分代謝をよくしてからだから余分な水分を排出し、内耳の血流不足やむくみが原因の耳鳴りを改善する漢方薬です。疲れやすく、冷えがあり、貧血症状のある人に使われます。

漢方薬は体質に合うかどうかが重要なため、服用する際は、自己判断ではなく、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。直接相談に出向くのが難しい場合は、「あんしん漢方」のようなオンラインサービスの利用がおすすめです。スマホひとつで専門家に相談できるほか、無料診断も活用できます。

● あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

    ちょっとした工夫で耳鳴りを改善

    耳鳴りは、日々の体調や生活習慣、心の状態と深く関わっています。耳鳴りは日常のなかでできるセルフケアによって、改善する可能性があります。軽い運動、リラックス習慣、ツボ押し、漢方の力……自分に合ったセルフケアを見つけて実践してみましょう。

    ただし、なかなか改善しない場合は病気が隠れている可能性もあります。耳鳴りが長期間続く場合は、医療機関へ相談しましょう。

    記事をシェア

    • X
    • facebook
    • line

    この記事のキーワード

    この記事を監修したのは

    山形ゆかりさん

    あんしん漢方薬剤師 山形ゆかりさん

    薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

    症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

    記事一覧

    アイコン画像メルマガ