「歯茎の腫れが気になる」「歯茎から出血する」などのお悩みがある場合、それは歯周病のサインかもしれません。歯周病は放っておくと歯を失う原因にもなるため、早めの対処が重要です。この記事では、歯周病の原因や影響、60代の方でも無理なくできるセルフケアについて解説します。
60代の「歯周病」の原因とは?
歯周病は、日々のケアはもちろん、年齢を重ねることによるからだの変化も影響して起こります。まずは、歯周病の主な原因を見てみましょう。
【1】誤った口腔ケア
毎日の歯みがき、きちんとしているつもりでも、じつは歯周病の原因になっていることがあります。
たとえば、歯と歯のすき間や歯と歯茎の境目に磨き残しがあると、そこに細菌がたまり、歯石や炎症の原因になります。同じ場所ばかり磨いたり、歯ブラシのサイズが合っていなかったりすると、磨き残しが起こりやすくなるのです。
さらに、硬すぎる歯ブラシや力を込めたブラッシングで歯茎を傷つけてしまうことも、歯周病につながります。
【2】ホルモンバランスの変化
加齢によってホルモンバランスが変化すると、口腔内の健康にも影響します。
女性ホルモンのエストロゲンには血流を促進する働きがあり、加齢により分泌量が減少することで歯茎の血流も悪くなってしまいます。
さらに、エストロゲンは骨密度の維持や唾液の分泌にも関係しているホルモンです。歯を支える歯槽骨が脆くなったり唾液の分泌量が減って細菌を洗い流す機能が低下したりして口腔内の環境が悪化し、歯周病につながりやすくなります。
歯周病による影響
歯周病は、初期のうちは痛みがほとんどないため、自分では気づきにくいものです。
ですが、歯茎の腫れや出血、歯肉が下がって歯が長く見えるといった症状があらわれたら要注意。進行すると、歯槽骨が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちることもあります。
さらに、歯周病菌が歯茎から血管に入ると、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの病気につながることもあります。歯周病菌が喉から気管に入ると気管支炎や肺炎などを引き起こすこともあるため、放置せず早めのケアが大切です。(※1)