まぶたの構造
瞼板(けんばん)
上下のまぶたにある軟骨のような板状組織。眼瞼挙筋腱膜などの筋肉を使って目を開ける。
前頭筋
眉毛を動かす額の筋肉。眼瞼下垂になるとこの筋肉を駆使するため、額にシワが刻まれる。
眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)
まぶたを引き上げる筋肉。加齢や摩擦によってダメージを受けると目が開きづらくなる。
眼窩(がんか)脂肪・眼窩隔膜
眼球を取り巻く脂肪と眼窩脂肪を包む膜。加齢で移動した脂肪が目の開きを妨げることも。
眼輪筋
上まぶたから下まぶたにかけて輪っか状に存在する筋肉。目を閉じるときに働く。
主な自覚症状
・目が開きにくい・見えにくい・まぶたが重い・慢性的な頭痛や肩こり・額のシワが深くなった・眉が上がる・二重の幅が狭くなった・二重が三重、四重に・コンタクトレンズが入れにくい
眼瞼下垂の種類と治療法
◆皮膚性:加齢のほか、アトピー性皮膚炎や花粉症でまぶたをこすることが主な原因。
治療法/眉下切開、重瞼線の皮膚切除、埋没法。眉の下のラインに沿って余った皮膚を切開する眉下切開は、以前の二重幅に戻る自然な仕上がり。二重線に沿ってまぶたを切開するとやや人工的な仕上がりに。軽度なら皮膚を切らずに、まぶたの一部を糸で固定する埋没法も選択可。
◆腱膜性:加齢やハードコンタクトの装用で眼瞼挙筋腱膜がダメージを受け、筋肉の力が瞼板に伝わらず、まぶたが上がりにくい状態に。眉が上がり二重線が広がる傾向が。
治療法/挙筋前転術、経結膜のタッキング。まぶたを切開し、眼瞼挙筋腱膜を瞼板に糸で縫いつける挙筋前転術が一般的。皮膚を切らずに、まぶたの裏側からまぶたを持ち上げる筋肉を前転させるタッキング法は腫れが少ない。
撮影/天日恵美子 イラスト/きくちりえ〔softdesing〕 文/片岡えり
※素敵なあの人2025年8月号『60代が気になる老化現象No.1 眼瞼下垂治療の正解を教えます!』より
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