まぶたがたるんで下がる60代は、ほとんどの人が眼瞼下垂予備軍に。その原因と症状、機能的なトラブルや不快感と審美的な問題を解消する医学的治療の最適解について、4500例以上の眼瞼下垂手術を執刀している形成外科医、寺島洋一先生にお話を聞きました。
保険診療のゴールは機能の改善。自由診療は見た目の追求も叶う
素敵世代なら誰もが感じるまぶたのたるみ。年だからと諦めるのか、治療をするのか悩ましいところです。4500例以上の眼瞼下垂手術を執刀している形成外科医、寺島洋一先生に基本の〝き〟を伺いました。
「眼瞼下垂治療の基本は手術です。目を見開いた状態で上まぶたが黒目にどれくらいかかるかによって軽度、中等度、重度に分けられ、日常生活に支障がある、視野が狭くなっているなど機能的な問題が生じた場合、医師の判断で保険適用に。重いまぶたを額の筋肉で引き上げることによる頭痛も治療対象です。自由診療になりますが、目が小さくなった、アイラインを描いても見えないなど自分にとっての美容的不快も、手術に踏みきっていいのでは?」
手術は保険適用で4〜5万、自由診療で19〜35万程度。保険適用は機能の改善が目的なので、基本的に仕上がりの希望はできません。
「二重のドレープが不自然だったり、誰が見ても違和感のある顔になってしまうケースも。見た目に関しても理想の仕上がりを追求するなら自由診療が最適だと思います」
皮膚性の眼瞼下垂の場合は目の印象を大きく変えない眉下切開がおすすめです。切除する皮膚は約6〜10mm。眉尻下まで切除するため、眉尻のたるみまで改善できます。
「皮膚を取り過ぎると、光が入り過ぎてまぶしく感じる人も。切除する皮膚の量によっては眉と目が近くなり過ぎたり、目が閉じにくくなったり。下垂レベルだけでなく、生まれ持った眉と目の距離によっても切り取る幅は変わります。私の手術は人生でいちばん目が開いていた昔の顔に戻すことが目的なので、どれだけ残すかも重要になってきます」
眼瞼下垂の治療はいつが最適?
「高齢だと取るべき皮膚は増えますが、眉下の傷は意外に治りやすい。重いまぶたを改善してQOLを上げたいと思ったときが適齢期です」