異性へのプレゼント選びは、なかなか難しいですよね。ましてや、年齢が上の父や義父となればなおさら。今回はそんな贈り物迷子の方のヒントになるお話です。
イべント好きな私であるが、毎年、春から集中して続く、母の日、父の日、母の誕生日、夫と子供たちの誕生日、そして義父母の誕生日とプレゼント選びがなかなか大変。
贈り物をして喜んでもらえるのは嬉しいことではあるが、こうも立て続けだと、なんというかプレゼントのネタが尽きてしまうのだ(そして、春はここにバレンタインデーのお返しの、ホワイトデーなるものまであるのだ!)。
だが、同性へのプレゼントなら、まだいい。衣料やアクセサリー、メイク用品や食器類など、ほしいものや必要なものがなんとなく分かるからだ。難しいのは、年老いた父や義父へのプレゼント。
もう大概のものは持っているのに加えて、洋服なんかだとサイズ選びがよく分からない。
若いころより痩せてきてはいるが、おなかが出ていたりするから、実際より大きめを選ぶと、今度は着丈や袖丈が長すぎる。洋服は諦めて、ステッキ、リーディンググラス、マッサージ器、帽子、サンダル、シェービング用品、好きな趣味の雑誌の定期購読、テッパンのパジャマなど、もうすべて誕生日と父の日、それからクリスマスにプレゼント済み。
こうなると、やっぱり迷ったときのグルメギフトですね。好物をもらって嫌がる人はいないし、おいしいものを食べるのが幸せというのは万人共通だ。
いまでは全国の名産品がネットで簡単にオーダーできるから、普段はあまり食べたことがないものを贈ることができる。晩酌好きな義父にはちょっと高い日本酒や地ビールが喜ばれるだろう。
うなぎやステーキ肉などの晩ごはんに滅多に出てこない高級品も貰ったら嬉しいに違いない。要するに、特別な日のプレゼントだから、特別なグルメギフトをってことですね。
そして、食べものは胃袋に入れば消えてしまうものだから、日ごろの感謝の気持ちをカードに書いて添えると、満点のプレゼントになる。
年老いた父親たちは、メールなどしないから、手書きでのお礼のことばを目にするとそれだけで幸せ気分になれるでしょう。現に私だって、息子たちからもらったイラスト入りのカードが、品物以上に嬉しかったこともある。
ところで、以前、父の日のプレゼントをちょっと面倒に思っていたときに、両親を亡くした友人に「私なんて贈る父も母もいなくて寂しいわよ」と言われたことがあったが、そうなのだろう。心に刻んでおかなくっちゃね。
イラスト&文/石川三千花
※素敵なあの人2024年9月号「石川三千花の素敵とそれなりの間にはvol.50」より
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