夏は薄着の季節。体のラインが気になってしまうことも多いですよね。でも60代は「なかなか痩せられない」と悩む人も多いもの。まずは素敵世代の体について知識を深めるべく、医学博士、産婦人科専門医の高尾美穂先生にお話を聞きました。女性ホルモンの影響は避けられないものですが、知っておくことで対策できます。
60代は体を整えてくれていた女性ホルモンの影響が減り素の自分に戻った状態に
知っておきたいのが、閉経による女性ホルモンの変化の影響です。
「閉経前の女性の体は、エストロゲンという女性ホルモンによって守られています。エストロゲンにはたくさんの役割があり、体を望ましい状態に保ってくれているのです。
しかし閉経を迎えると分泌量は減少し、60代になるとごく低い値で安定します。当然、エストロゲンの効果も薄れていきます。つまり、素敵世代が太りやすくなったり病気のリスクが上がったりするのは自然なこと。
これを不安に思う人が多くいますが、あまり悲観的に捉えないでほしいのです。『閉経したらただベースの状態に戻るだけ』『四十数年間、エストロゲンの効果があってラッキーだった!』そんなふうに考えてみてはどうでしょう。
また、エストロゲンの役割を知っておくことも大切です。慌てることなく自分の体の変化を受け入れられるようになるし、対策も自ずとわかってきます。知識があるかどうかで、ダイエットへの取り組み方も変わってくるというわけです」
エストロゲンが果たしてきた役割
- コレステロール値を正常に保つ
- 筋肉の合成や修復を促進
- 質のいい睡眠を促す
- 自律神経の調整など
エストロゲンには、ダイエットに関わるところで言うと、コレステロール値を調節する、筋肉量を保持する、睡眠の質を保つなどの役割があります。そのほかにも、骨密度の維持、肌や髪の健康保持、脳の活性化、自律神経を整えるなどの働きもあり、体中の機能を正常に保ってくれていたのです。
ホルモンの恩恵がなくなったと考えて対策を!
閉経によってエストロゲンの分泌量が低下すると、それまで得られていた効果が得られなくなります。しかしネガティブになることなく、まずは「これは自然現象だから」とフラットに受け止めましょう。そして、エストロゲンにどんな恩恵を受けていたかを考えながら対策を立てていくことが大切です。