旅行二日目は、ついに鳥越で柴田さんの手仕事を拝見することができました!
お話しを伺うにつれ、小柄な柴田さんのどこにそんなパワーがあるのかと思うくらい、気の遠くなる作業なのです。
先ずは山に入りすず竹の採取。しかも鳥越のすず竹は枯れてしまったので、往復4時間かけて移動しなければなりません。
空なんか見えない背丈を遥かに超える藪の中を搔き分け採取するそうですが、斜めに切り取った切り口はまるで刃物のようなので、転んでどこかに刺されば大怪我だし、スズメバチにはもう4回も刺されているそうです。熊よりも実際はスズメバチの方が怖いと仰ってました。
何かあったら発見してもらいやすいように、真っ赤なつなぎを着て山に入るそうです。
命がけの仕事。それからひごを作るわけですが、これがまた気の遠くなる作業なのです。
こんな細いすず竹をまずは半分に鉈で割いて、それをまた半分に割いて四割にしてしばらく乾燥させて保管。
乾燥した竹の中身?肉を削ぐ。作るものによって幅を決める。そしてさらに柔らかいしなやかな状態にするのをこきをかけるというそうですが、こきをかけているうちに、ツヤツヤの透明にさえ見えるヒゴの出来上がり!!
以前は一日300本やっていたそうですが、いまは体が痛くなるので100本くらいと決めているそうです。
ここまでで充分かっこよすぎる!!!
そしてやっと作品を編んでいくわけです。
この命がけで気の遠くなる作業があって、あの熟練の技で編まれた数々のものたち。
簡単には継承者問題を私のような部外者が語ることはできませんが、県外からではありますが、覚悟を持った若い継承者がいま、柴田さんの元で育ち、活躍されています。
すず竹細工職人の橋本晶子さんと堀江晶子さんにもお会いできました。抱きついてキスしたい気持ちでした。素晴らしい。
今回の旅で一つ増えた柴田さんのすず竹細工
大切に使い続けたい私の宝物
我が家の台所のざるやかごたち。
この日は、鳥越の方たちの心のよりどころ、鳥越観音をお参りしました。
かなりハードな山道を登った先にありますが、厳かなパワースポットです。
堀さんの著書によると、その昔鳥越地区に疫病が流行った時に、慈覚大師が観音を信仰すること、肉食を禁止することとし、その代わりに永代家業となるように竹細工を教えた等々諸説あるようです。
現代でも、柴田さんはお肉を食べないそうです。
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