60代女性ならではの不調改善に必要なこととは?
筋肉量や骨密度の低下、高血圧、冷え、白髪や薄毛、疲労感……素敵世代には60代女性ならではの体の悩みがたくさん。これからも健康で元気に過ごすために、それらの予防・改善につながる生活習慣を知っておきましょう。
1日3食、バランスよく。基本的な食習慣こそ重要
60代女性の体に現れるさまざまな不調。それらを予防・改善するためには、どのような対策が効果的なのでしょうか。管理栄養士の篠原さんに伺いました。
「あらゆる不調に共通する対策として、まず『1日3食きちんと食べること』があります。不調予防・改善のために60代女性が積極的にとりたい栄養素は、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、ビタミンC、カリウムなど。このうちたんぱく質やビタミンCは、体に溜めておくことができないため、こまめに摂取する必要があるのです。食事が1日2回以下だったり食べる量が少な過ぎたりすると、それらを充分にとれず不足してしまうことに。朝昼晩に空腹を感じるのが自然な現象なので、『朝食を抜いている』『あまりおなかが空かない』という人は、前日夜に食べ過ぎてしまったか、間食をし過ぎているか、もしくは体になんらかの問題が生じているかもしれません。
そしてもうひとつの対策法は、『バランスよく食べること』。主食、主菜、副菜を揃え、いろいろな食材をまんべんなくとりましょう。栄養はお互いに助け合って効果を発揮するものなので、偏りがあっては上手く働きません。また、素敵世代には、主食を抜いてしまう人が多いです。糖質が不足すると、代謝が下がったり脳にエネルギーが行き渡らず判断力が低下してしまったりします。過度な糖質制限はせず、糖質量が気になる人は主食ではなくお菓子などの間食を減らすようにしてください」
自分の好みに合わせてマイペースな運動習慣を
「筋肉量が低下している素敵世代には、ぜひ運動する習慣をつけていただきたいです。骨の健康に関しても運動は大切で、骨は程よい負荷がかかることでカルシウムが沈着しやすくなります。運動を始めるときに意識したいのが、自分に合った内容を選ぶこと。負荷の受け取り方は人それぞれで、誰もが激しいランニングや筋トレができるわけではありませんよね。普段座りっぱなしでまったく体を動かさないという人は、まず頻繁に立ち上がることから始めましょう。また、人には性格や好みの違いもあります。ひとりで黙々と取り組むのが好きな人は、マイペースにできるウォーキングなどがおすすめ。誰かと一緒になにかをするのが好きな人は、サークルやジムのプログラムに参加してみてもいいでしょう。一般的な目標基準などに縛られず、いまの自分の運動量を少し増やすことを意識してみてください」
太り過ぎはもちろん痩せ過ぎにも要注意
「体形に関して、素敵世代は、太り過ぎだけでなく痩せ過ぎにも気をつけなくてはいけません。痩せ過ぎとは、すなわち栄養が足りていない状態。70代、80代になったときのことを考えると、体にはある程度の蓄えが必要です。もしなにかあって寝たきりになってしまったとき、痩せ過ぎていると著しく体力が低下してしまいます。肥満度を表すBMI(体重÷身長÷身長)21以上をキープし、下まわった場合は食事を少しずつ増やし、適度な運動に取り組みましょう。素敵世代は、10年後、20年後を見据えた健康習慣が大切になります」
- 管理栄養士・睡眠改善インストラクター篠原絵里佳さん
豊富な臨床経験とアンチエイジング医学の活動から、健康と美に体の内側からアプローチする重要性を発信。食事と睡眠の観点から健康や美を考える「睡食健美」を提唱している。
アンケートについて
2025年3月19日~ 4月1日までの期間、株式会社宝島社のメールマガジンや『素敵なあの人』公式 LINE に登録いただいた方を対象に、アンケート調査を実施。回答いただいた全国の皆さま、ご協力いただきありがとうございました。
取材・文/平井薫子
※口コミコメントはあくまで個人の感想です。効果を保証するものではございません。
※素敵なあの人2024年7月号「素敵世代がリアルに愛用している 60代の体にいいもの口コミ大賞」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
- 1
- 2