数多くの俳優やアーティストを撮影してきたフォトグラファー中川真人氏が、憧れの人の本当の姿を引き出す「まことのはなし」。今回のゲストはデビュー以来、テレビドラマ・映画・音楽、そして舞台にと幅広く活躍を続け、世代を超えて愛されている俳優、大竹しのぶさんです。
舞台『華岡青洲の妻』は姑を演じるつもりでした(大竹)
中川さん(以下敬称略)どの衣装もチャーミングでお似合いでしたが、このページのモノクロカットは初めて拝見するファニーフェイスがとても印象的でした!
大竹さん(以下敬称略)雑誌では珍しいかも(笑)。でも、舞台では役によっては思いきった表情もします。
中川 舞台といえば、7月には『華岡青洲の妻』が、京都・南座で開幕しますね。世界で最初に全身麻酔を使って乳がんの手術をした江戸時代の外科医・華岡青洲の、嫁と姑の相克を描いた物語。有吉佐和子さんの代表作ですよね。
大竹 有吉さんの作品は、これまで『三婆』『ふるあめりかに袖はぬらさじ』という舞台に出演してきました。「次はなにをやりましょう?」と考えていた時期に、先輩俳優の皆さんが演じてこられた『華岡青洲の妻』をというお話が出てきたんです。年齢的にも、妻ではなく姑の役をやるつもりでした。主催の松竹の方には「お嫁さんの加恵さんの役を探してもらえますか?」とお願いをしていましたが、「大竹さんには加恵を演じてもらいたい」「いえ、私はお姑さん(於継(おつぎ))をやりたい」というやり取りを、2か月以上続けました(笑)。
中川 そんな大竹さんが、加恵役を引き受ける気持ちになったのはなぜですか?
大竹「波乃久里子さんに於継役をお願いできたらいかがですか」と提案いただいて。マロンちゃん(波乃久里子さんの愛称)とお芝居できるんだったら! と気持ちが決まりました。私と華岡青洲役の田中哲司さんは20代から、マロンちゃんは50代から演じます。全員年齢的にはかなりサバを読んでいますが、そこは舞台ですから成り立つということで(笑)。
中川 僕は『華岡青洲の妻』は映画で見ました。ドラマでもやっていましたよね。
大竹 そうですね。私は小学生のとき、母がドラマに夢中になって、毎週、姉と一緒に母の傍らで見ていました。加恵役は南田洋子さんが演じられていて。
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