せっかくおしゃれをして外出しても、ねこ背だと老けてスタイルが悪く見えてしまい、鏡に映った自分にギョッとすることも。そんなねこ背の治し方のカギを、ねこ背矯正の第一人者である小林篤史さんにおうかがいしました。
ねこ背を治すには「骨盤」と「背骨」がカギに
「骨盤」と「背骨」は、きれいな姿勢を作るいわば土台や支柱となるもの。まずは正しい状態とはどんなものかを知っておきましょう。
骨盤が傾くと背骨のS字が崩れ「ねこ背」になります
「背骨は骨盤から首までつながる骨で、横から見ると緩やかなS字を描いているのが理想的な状態。その土台となるのが骨盤です。
もし、骨盤が前後に傾いたらどうなるのでしょうか? 土台がゆらぐと背骨はバランスを取ろうとしてゆがみ、背中全体が丸まったり、頸椎が前方に傾いたりして姿勢が崩れます。そのため、骨盤の傾きをリセットし、骨盤をまっすぐ立たせることが、ねこ背を治す第一歩に。骨盤が立つだけで治る場合もありますが、60代はそうはいきません。年齢的にどうしても背骨がかたくなりがちなので、しっかりほぐして柔軟性を高めたうえで上半身を整えないと、背骨を正しいポジションに戻すのが難しいことが多いです。
また、骨盤が傾かないように支えている、骨盤まわりにある筋肉のバランスが取れていることも大切。偏った姿勢や筋力の低下でバランスが崩れると、骨盤が傾く原因になってしまいます。普段から立ち方や座り方を意識し、適度に運動をして筋力をつけるようにしましょう」
骨盤が立ち背骨がS字を描いているとねこ背にならずきれいな姿勢に!
背骨は7個ある頸椎、12個ある胸椎、5個ある腰椎、仙骨、尾骨から構成されます。横から見るとS字状の緩やかな曲線を描き、重い頭を支えています。この背骨に連結し、背骨を支えているのが骨盤です。骨盤は仙骨と尾骨を中心に、左右の寛骨(腸骨・座骨・恥骨)で構成され、股関節を経て大腿骨へとつながります。