上高地ツアーへ。機会は自分で作る
そんな折、今、わたしが最も共感する作家であり、ミニマリストの四角大輔さんから人づてに「千明さんにも参加してもらったら?」と上高地2泊3日のトレッキングイベントへのお誘いがありました。
山歩き未経験のわたしでしたが、『これが機会だ。』と迷わず「行きます!」とお返事をしました。
「自ら機会を作り、機会によって自らを変える。」
昔、わたしが働いたことのある会社の標語を思い出しました。
今日が一番若い。やるなら今。 練習を始め、道具を揃えることにしました。
運動は未来を変える鍵
筋肉は使わなければ衰える。努力してますから、骨密度は年齢平均の122%と高めですが、筋力には不安があります。装備も知識もゼロ。でも、心はしっかり前を向いています。
わたしはこれまで、仕事一筋で生きてきました。多くの人と関わってきましたが、仕事ばかり。プライベートで誘い出す友人も、学校時代の友人とも会う時間がありませんでした。
だから今こそ、やり過ごしてきたことに、もう一度丁寧に向き合いたいのです。
仕事柄、これまで、数えきれないほどの健康本を読み、セミナーに参加し、最新のアンチエイジング医療も積極的に学んできました。医療の進歩は歓迎すべきものです。科学やデータがわたしたちの未来を豊かにしてくれると信じています。
その上で、今すぐできて、確実に効くのが「運動」。究極の「再生」は体を動かすことなのです。突き詰めれば突き詰めるほど「運動」なのです。
女性ホルモン=エストロゲンが失われたあとのわたしたち女性の体は、硬く、脆くなります。でも、使わなければさらに弱くなる。骨は振動を与え壊すことで新しい骨を作り出し、筋肉も育ちます。そして、骨や筋肉が“最強のアンチエイジング物質”を作り出していることもわかってきています。
高齢者は、放っておけば衰え、気持ちも沈みがちになる。 でも、体を動かせば、筋肉がつき、心も晴れていくのです。
運動は、未来を変える鍵。
しかも、特別なお金は必要ありません。靴を履いて外に出る。ただそれだけで、体は応えてくれるのです。
そして、そこに山があり、友達がいる。
大切なのは人生という「時間」
わたしにとって一番大事なのは「時間」です。「人生の時間」です。老い、先が短くなってきたことを悲観してはいません。むしろ、それを認めた上で——この人生の最後のフェーズをどう生きるか。そのことに興味があるのです。
残された時間を、自分の意思で選び、豊かに過ごしていく。
体が変われば、心が変わる。心が変われば全てが変わる。そう信じています。
わたしは、人生の最終章を、体と心の力を取り戻しながら、自然と共に歩く時間にしたいのです。
自然に代わるものはありません。 外から眺めていた山の中に、自分の足で入っていく——
まずは、歩くこと。 山に入ること。
65歳、山をはじめました。
しみじみ楽しいと感じます。間に合ってよかった!
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この記事を書いた人
美容家・更年期カウンセラー 吉川千明さん
NPO法人女性医療ネットワーク認定「女性の健康総合アドバイザー」、NPO法人更年期と加齢のヘルスケア認定「メノポーズカウンセラー」。
1997年にエステティックとコスメトロジーの国際団体C I D E S C Oにて、デュプロマを取得。植物療法や漢方などの造詣が深く、オーガニックコスメを日本で広げてきたナチュラルビューティの第一人者。また、メノポーズカウンセラーとして、更年期女性のカウンセリングも担当。この30年間に美容と更年期相談、合わせて1万人以上の女性たちの声を聴いている。
2020年、還暦とコロナを機に代官山のオフィスを閉じ、2025年から山梨県の清里を拠点に森の中での生活をスタート。
著書「閉経のホントがわかる本(集英社)」「美しくなる自然療法(主婦の友社)」「これからの暮らし方(エクスナレッジ)」ほか多数。