安曇野トレックフォーゲル夫妻のお誘い
そしてもう一つ、これまで以上に体を動かさなくてはと思っていました。
女性の弱点は「骨・筋肉・脳」。でもそのすべてを助けるのが“運動”だとわたしは確信しています。東京ではトレーナーのもとで筋トレを続けていましたが、この地にはあまりに古いジムが一つあるだけで、代わりになる場所がありません。
でもここには、“自然”という最高の運動場があります。
トレッキングやハイキングにずっと興味はありました。けれど、始めるきっかけも仲間もいなかった。そんなわたしに、思いがけず訪れたのが「トレックフォーゲル」の小林夫妻との出会いでした。
ドイツ語で「わたり鳥」を意味する「トレックフォーゲル」は安曇野にある山用品のセレクトショップ。友人に紹介されて訪ねたその店には、機能的で且つグッと厳選されたセンスの良いアイテムと、明るくおしゃれなご夫妻が迎えてくれました。
ご主人は、太いフレームのとてもおしゃれなメガネをかけて、自分が選んだウエアのことを楽しそうに語ってくれる。センスのいい山屋さんだな、と第一印象で感じました。
奥さんは、可愛らしい方。「色のコーディネートが素敵ですね」と声をかけたら、「きゃ〜、うれし〜。」と喜んでくださって。『なんて可愛い人なんだ!』と思ったのをよく覚えています。
海外生活も長かったおふたりですが、ご主人は大きな会社を早期退職し、自分たちの新しい道を選んでこの店を開いたそうです。同じように人生を切り替えた者として、どこか深い共感がありました。
その後、わたしが「トレックフォーゲル」さんの山歩きのインスタ投稿に「いいなあ。わたしもやってみたい。」とメッセージを入れたところ、即返信が返ってきたのです。
「わたしたちは、吉川さんのような方と、山は初めてという方と、山を歩きたいと思っています。」心の奥の扉がパッと開いた気持ちになりました。続いて「近郊の低山里山か霧ヶ峰界隈を少し歩いてみませんか?」と具体的なお誘いも。
山の先生が見つかり、往復4時間歩いてきました。
トレックフォーゲルの小林夫妻。わたしの“山の先生”です。
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この記事を書いた人
美容家・更年期カウンセラー 吉川千明さん
NPO法人女性医療ネットワーク認定「女性の健康総合アドバイザー」、NPO法人更年期と加齢のヘルスケア認定「メノポーズカウンセラー」。
1997年にエステティックとコスメトロジーの国際団体C I D E S C Oにて、デュプロマを取得。植物療法や漢方などの造詣が深く、オーガニックコスメを日本で広げてきたナチュラルビューティの第一人者。また、メノポーズカウンセラーとして、更年期女性のカウンセリングも担当。この30年間に美容と更年期相談、合わせて1万人以上の女性たちの声を聴いている。
2020年、還暦とコロナを機に代官山のオフィスを閉じ、2025年から山梨県の清里を拠点に森の中での生活をスタート。
著書「閉経のホントがわかる本(集英社)」「美しくなる自然療法(主婦の友社)」「これからの暮らし方(エクスナレッジ)」ほか多数。