白といえば、素敵世代が築き上げてきた個性を引き立て、より魅力的に見せてくれる色。でも、なかには寂しい印象になったり、無難に見えてしまうと遠ざかっている人も。そんなお悩みは、スタイリストの地曳いく子さんが解消! 俳優・とよた真帆さんの、しなやかで美しい着こなしにも注目です。
白は経年美化してくれる色!脱コンサバで明るい春に
「〝ウエディングドレス〟を想起させる独特な特別感や〝シンプルな白Tシャツが似合わないと感じた日から苦手意識がある〟など、素敵世代を惑わせている色といえば白。気持ちはよくわかりますよ」と共感しつつ、「でもね、」とさっそく舵を切る地曳さん。
「肌色はもちろん、気分も明るくしてくれる白は、七難を隠し、経年美化してくれる色。年を重ねて意識したい清潔感も漂いますしね」と力説。「まずは、脱コンサバを図りましょう。とよた真帆さんが素敵に着こなしてくださったように、まとめ過ぎず、さまざまな白のトーンや素材を重ねて着くずすのがポイントです」
白のデメリット話になると……。「白=膨張色?いまはオーバーシルエットがトレンドで、体のラインを拾わないからむしろいいんです。透けるのが心配?ベージュのインナーがあれば大丈夫!」
もう、躊躇する理由は見当たりません。「明るい色を着たくなる春が、〝白も着てしまえ!〟と背中をグイッと押してくれていますよ!」
「白のワントーン」は色の濃淡と素材感に変化をつけておしゃれ上級者な着こなしに
「ひと昔前のワントーンスタイルは同素材でまとめてキチッと決めるのがセオリーでした。でも、いまはそれじゃツマンナイ。コンサバ過ぎて、老け込んじゃいます。それを回避できるテクニックが、色の濃淡と異素材ミックス。トーンの違う白を重ねたり、表情豊かな素材を投入したりするとセンスのいい“素敵なあの人”になれますよ」(地曳さん)
リブの凹凸や輝く素材を巧みに重ねたオールホワイト
ジャケット¥52,800、ニット¥25,300、パンツ¥27,500/すべてロペ(ジュンカスタマーセンター)、バッグ¥170,500、チャーム¥35,200/ともにアニヤ・ハインドマーチ(アニヤ・ハインドマーチ ジャパン)、靴¥69,300/ペリーコ(アマン)
はっ水加工が施されたジャケットの中に着たリブニットがリズムを与え、サテンパンツで輝きをプラス。このように、異素材をミックスするのが令和のオールホワイトスタイル。革のバッグとパンプスでキリリと締めて。
切りっぱなしのようなフリンジで白スタイルにニュアンスを加えて
シャツ¥18,700、ブラウス¥25,300、パンツ¥26,400 /すべてマカフィー(トゥモローランド)、バッグ ¥132,000/アニヤ・ハインドマーチ(アニヤ・ハイン ドマーチ ジャパン)、靴¥69,300/ペリーコ(アマン)
ランダムに入ったフリンジ風の生地を使ったセットアップは、その豊かな表面感でしゃれ感がアップ。トップスの中に着たのは、シンプルな白シャツ。おなかやヒップまわりをさりげなくカバーする役割も果たしてくれます。
トーン違いの白と花柄ジャカードがまろやかなエレガンスを演出
コート¥79,200/ニコラ ジェンソン(リノウン)、ブラ ウス¥58,300、パンツ¥53,900/ともにエブール(リ トルリーグ インク)、バッグ¥21,450/アンドミュー ク(アマン)、靴¥25,300/ギャルリー・ヴィー(ギャ ルリー・ヴィー 丸の内店)、バングル¥59,400/セル ジュ・トラヴァル(アッシュ・ペー・フランス)
クリーミーホワイトと純白、そしてブラウスの花柄ジャカード生地が織りなす、まろやかでエレガントな白スタイル。デニムコートと、さりげない光沢のあるラミーパンツの異素材合わせも、単調にならない秘訣に。
「白のトップス」は旬なショート丈をチョイスして顔色のトーンもおしゃれ度もアップ
「白を使ったオールホワイトスタイルに抵抗がある方はトップスで白を取り入れるのがおすすめ。なぜなら、プロのカメラマンが被写体の肌色を明るくするために使うレフ板のような効果が望めるから。くすみやシワが目立たなくなる、言うなれば“着る美容液”なのです。そして、買い足すなら断然ショート丈。通常より少し短いものを選んで旬なバランスを楽しんでみて」(地曳さん)
ホワイト×ネイビーの配色で爽やかなマリンスタイルを満喫
セーター¥18,000、パンツ¥16, 000、スカーフ¥18,000/すべてバナナ・リパブリック、バングル¥25,300/シーエックスシー(アマン)、バッグ¥44,000/バケットバゲージ、靴¥25,300/ギャルリー・ヴィー(ともにギャルリー・ヴィー 丸の内店)
バニラのような白ニットは、シルク混コットンでなめらかな肌触り。パンツの色をリンクさせたシルクのスカーフが、肌ツヤアップと華やかさをもたらします。爽やかなホワイト×ネイビーのマリンスタイルで、夏を先取りして。
きれいめカジュアルの要になる白のツイード調ベスト
ベスト¥33,000、プルオーバー¥29,700/ともにボールジィ、バッグ¥218,900/ミチノ・パリ(すべてトゥモローランド)、パンツ¥26,400/ボニーウーブン(クローバーズ)、バングル¥29,700/シーエックスシー(アマン)
きれいめカジュアルの“きれいめ”担当が白のニットベスト。真っ白なカットソーを合わせることで、全体が明るい印象に。上品さのなかに抜け感を出すべくセレクトしたのが“カジュアル”なチノパン。脱コンサバが叶います。
定番の白ニット×デニムも旬バランスでいまどきに
ニット¥26,400、カーディガン¥39,600、スカート¥35,200/すべてセオリーリュクス(リンク・セオリー・ジャパン)、メガネ¥40,700/プロポ(プロポデザイン)、ネックレス¥60,500、ピアス¥39,600/ともにジェム・キングダム(アッシュ・ペー・フランス)、バッグ¥26,400/アンドミューク(アマン)、靴¥24,200/ホカ® (デッカーズジャパン)
王道の白ニットとデニムスカートの組み合わせも、今年流のバランスを取ることで一気にあか抜けます。ポイントは、クロップド丈の白ニットを選ぶこと。シャープなロングデニムスカートも相まって、抜群の脚長効果を発揮。
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クリームカラーのスエットは、なめらかな表面と美しいたゆみでフ過ぎないのが魅力。トップス¥39,600/ルームエイト(オットデザイン)
白とキナリで切り替えられたラグランスリーブが特徴。袖のシャーリングデザインでモードな雰囲気に。カットソー(4月発売予定)¥39,600/セオリーリュクス(リンク・セオリー・ジャパン)
「白のボトムス」は足先まで白でまとめることで脚長効果も期待大!
「トップスより面積が広くなるボトムスは印象を左右する重要なポジション。白は汚れが気になって……と敬遠しがちですがそこをあえて取り入れてみることで圧倒的な清潔感と上品さを醸すことができます。さらに、靴も白でつなげると脚長に!スニーカーなら、白ボトムスのエレガントさが程よく中和されるので、ぜひお試しを」(地曳さん)
大人の甘い気分に寄り添うときめきの白レーススカート
スカート¥121,000、ブラウス ¥34,100/ともにドゥーズィエ ム クラス(ミューズ ドゥ ドゥー ズィエム クラス ロッポンギ)、 セーター¥18,000/バナナ・リパブリック、バッグ¥29,700/リンク、靴¥34,100/アロハス(アッシュ・ぺー・フランス)
今季はレースアイテムが大豊作。取り入れたいけど苦手意識がある、そんな方は、マキシ丈スカートがイチオシ。青みを帯びたヴィンテージ風なら、大人の甘さを上手く引き出してくれます。脚長に見せるショート丈のニットを合わせれば、好バランスも叶います。
ホワイト×シルバーでほんのりモードな明るさを
ジャンプスーツ¥61,600、ジャケット¥86,900/ともにコグ ザ ビッグスモーク、ネックレス¥28,600/シャノン ボンド(ギャルリー・ヴィー 丸の内店)、バッグ¥39,380/イヌイ・エディション(アッシュ・ぺー・フランス)、靴¥24,200/ホカ®(デッカーズジャパン)
洗濯機で洗えるジャージ素材のドレッシーなジャンプスーツは、丸みを帯びたユニークなシルエットのブルゾンを羽織ってカジュアルダウン。クリーンな白に、ジュエリーのようなシルバーの輝きを加え、ほんのりモードに。
上品なホワイトパンツはやわらかアイテムで軽やかに
パンツ¥35,200/アドーア(アドーア 六本木ヒルズ店)、コート¥94,600/ギャルリー・ヴィー(ギャルリー・ヴィー 丸の内店)、Tシャツ¥15,400/ニコラ ジェンソン(リノウン)、スカーフ¥21,340/イヌイ・エディション、フォンケース¥36,300/デ クチュール(ともにアッシュ・ぺー・フランス)、靴¥24,200/ホカ®(デッカーズジャパン)
ストレッチが効いた2タック入りパンツは、白を選ぶと上品さが加速。エレガント過ぎないカジュアル感を演出したのが白スニーカー。風をはらんで揺らめくコートやストールをコーディネートして、軽やかな春を堪能して。
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サイドラインが少し前にあることで、ほっそり見える効果が。心地よくフィットするペンシルスカートは、普段使いはもちろんちょっといいレストランへ行く日などでも活躍。洗濯機で洗えます。スカート¥25,300 /コグ ザ ビッグスモーク
きれいめなトラウザーなのに、汚れたら洗濯できるのが高ポイント。そのうえ、軽量、速乾、シワになりにくいといいことずくめ。両サイドのバックルでウエストのサイズ調整もできます。パンツ¥28,600/ニコラ ジェンソン(リノウン)
俳優 とよた真帆さん
1967年東京都生まれ。高校在学中にモデルデビューし、パリコレクションにも出演。1989年に女優デビュー後、多数の作品に出演。現在、芸能生活40周年を記念したCD『WILD FLOWER』が発売中。YouTube「とよた真帆」チャンネルも配信中。Instagram:@maho_toyota
撮影/人物 _ 福本和洋、物 _ 古家佑実〔SORANE〕 スタイリスト/地曳いく子 ヘア &メイク/清水ヤヨエ モデル/とよた真帆 文/三宅桃子
※この記事は、「素敵なあの人Web」に掲載された記事を再編成したものです。
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