上品で華のある着こなしに、60代の素敵世代から絶大な支持を得ているスタイリストの坂本久仁子さん。坂本さん自身が着たいと思った装いをテーマごとに紹介する連載の中から、この春に取り入れたいテーマ2つをご紹介します。旬のテイストを上手に取り入れ坂本さん流に着こなした装いは、必見です!
テーマ1「ソフトミリタリー」
若いときは、簡単に取り入れられていたミリタリーテイスト。年を重ねたいま、カジュアルの匙加減に悩み手が遠のいている人も多いのでは?素敵世代が心がけるべきは、ラフ過ぎないようにすること。スタイリスト・坂本久仁子さんが考えるミックススタイル、ぜひ参考にしてみてください。
軍用のドレススラックスで見られるレッドラインが採用されたワンピースはモダンな印象に!
ミリタリーというと、カーキのカーゴパンツやMA−1のようなアイテムが代表格ですが、今回ご提案したいのは、軍用のドレススラックスで見られるレッドラインが採用されたワンピース。完全なるミリタリーではなく、むしろモダンな印象です。金ボタンがアクセントになったネイビーのブレザーを羽織ることできちんと感が融合され、程よいミックス感に。ブレザーの下衿と袖口に施されたフリルは、共布でなじみがよく、甘過ぎないのがポイント。王道とはひと味違う遊び心が添えられていると、女性らしく着ることができます。
メンズの印象が強いアイテムはエレガントなアイテムでソフトな印象に!
このようなワーク色が強いアイテムこそ、上品なアイテムとのコーディネートがマストに。たとえば、ツイードジャケットとの組み合わせ。こちらは、フランスの老舗ファブリックメーカー・クラレンソン社の生地で作られたもので、ジャンプスーツのカジュアル感をクラスアップしてくれます。もっと暖かくなったら、ジャケットなしで、ヒールパンプスを合わせたりしてもいいかもしれません。
テーマ2「スプリングニット」
季節ごとに、さまざまな素材や厚さのものが存在するニット。なかでも、重さから解放され、その身軽さから明るい気分で新しい季節を感じることができるのがスプリングニット。デザイン性や美しい色に心奪われる坂本さんセレクトの2着は必見です。
ソフトな質感の「スプリングニット」にハリのあるバギーパンツでメリハリを!
こちらのコーデでは、モヘア混の透かし編みニットを着てみました。ふわっと体を包み込んでくれるようなやさしいやわらかさが春ならでは。シフォントップスを重ね着しているかのようなデザインなので、いままでにない新鮮な着こなしが楽しめます。ヴィンテージでよく見られる、くるみボタンの羅列デザインもときめきポイント。トップスがソフトな素材感なので、ボトムスはハリのあるバギーパンツでメリハリをつけました。
白とアイボリーのワントーンでまとめたクリーンなコーディネートのアクセント役は、ビタミンカラーのバッグ。アイキャッチになるデザインが、印象的で洗練されたスタイルへと誘います。
ラグジュアリーでありながらリラックス感が漂う軽やかさに心も弾みます
ニットは、1988年にイタリア・ミラノでチヴィディーニ夫妻が創設した「チヴィディーニ」というブランドのもの。特に、ニットは職人技が光るテクニックが施された、遊び心のある色柄ニットを展開しています。このニットも、シルク混コットンの糸をループさせるように編むトリコット編みで、表情の豊かさが魅力のひとつです。
ボトムスは、麻の一種のラミー素材を使ったイージーパンツをセレクト。動くたびに揺らめくエアリーな質感が、スプリングニットと好相性! アースカラーのグラデーションでまとめ、シックに仕上げました。服がナチュラルなときは、小物でモダンさをプラス。ゴールドのフリンジバッグを合わせて、ほんのりエッジを効かせています。
撮影/中島千絵美 スタイリスト&モデル/坂本久仁子 ヘア&メイク/清水ヤヨエ 文/三宅桃子
※本記事は過去の素敵なあの人Webに掲載された記事を再構成したものです。
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