これまで数多くの俳優やアーティストを撮影してきたフォトグラファー中川真人氏が、憧れの人の本当の姿を引き出す「まことのはなし」。第13回のゲストは演劇界のレジェンド・白石加代子さん。インタビュー後編は、32年間役者を続けてきたなかで、学んだことや変化についてお話してくれました。
昨日の演技をなぞることはしない。 すべて忘れて、次の日は演じます(白石)
中川さん(以下敬称略)舞台の話に戻りますが、白石さんのライフワークともいえる朗読劇「百物語」が昨年、フィナーレを迎えられましたよね。
白石さん(以下敬称略)フィナーレといっても、もうやらないというわけではないの。今年は新しい作品が続いて忙しくなりそうなので、いったん中断しようかと。「百物語」の台本を読み返すと、やりたいものがいくつもあるんです。
中川 32年間続けてきたなかで、学んだことや変化はありましたか?
白石 劇団にいたころは、「観客に迎合するな」と言われていたんです。だからお客様と交流することは一切なかったけど、「百物語」を始めてからは交流を楽しむようになっちゃった。ほかの舞台に出ていても、芸達者な人と共演するとつい相手のお芝居をじっくり見てしまって、自分のセリフを忘れちゃう(笑)。でもね、そういう私もいいなと思っています。
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