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白石加代子さんインタビュー前編!「昔の時代劇は素晴らしい。役者が素敵だから夢中になって見ちゃいます」【まことのはなし】

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白石加代子さんインタビュー前編!「昔の時代劇は素晴らしい。役者が素敵だから夢中になって見ちゃいます」【まことのはなし】

数多くの俳優やアーティストを撮影してきたフォトグラファー中川真人氏が、憧れの人の本当の姿を引き出す「まことのはなし」。第13回のゲストは83歳のいまも新たな挑戦を欠かさない、演劇界のレジェンド・白石加代子さん。舞台への尽きない情熱を抱き続ける、その原動力に迫りました。

つい夜中まで、録画していた昔の時代劇を見ちゃうの(白石)

中川さん(以下敬称略)白石さんは演劇界のレジェンドとして、半世紀以上にわたって、舞台上で唯一無二の存在感を発揮されていますよね。25歳で劇団に入団したのが、俳優人生の始まりだったとか。

白石さん(以下敬称略)7年間、勤めていた区役所を辞めて、ずっと憧れていた芝居の世界に飛び込んだんです。当時は区役所のお給料がとってもよくて。退職金もいただいて裕福だったのに、劇団の仲間にたかられて、2年も経たないうちに貧しくなりました(笑)。

中川 いまも昔も、演劇は厳しい世界ですよね。

白石 基本的に役者は公演に出た分しかギャラは出ないんです。稽古中は収入がないから、若いころは大変。好きなことをしてるんだから当たり前、と言われればそれまでだけど。

中川 舞台は体力勝負の面もあると思いますが、健康のために心がけていることはありますか?

白石 食べ物には気を使っています。ただ、買い物に行く時間がないので、定期的に野菜を届けてもらっていて。簡単なものしか作らないけど、おだしはふんだんに使っているからまずいとは言わせない(笑)。

中川 運動もされていますか?

白石 10年くらい加圧トレーニングを続けていますが、年も年だからそれほどハードなことはしていません。ただいくら頑張っても、年月には抵抗できない。膝の調子が悪いときは階段の上り下りがつらかったりするけれど、舞台ではそうも言っていられない。片足立ちのようなシーンではゴムバンドを膝にぎゅっと巻いて。そういう工夫で乗りきっています。

中川 公演中は、その日の疲れを毎日リセットすることも大事ですよね。

白石 疲れをとるためには、やはり7時間睡眠が理想ですね。早寝早起きがいいのでしょうけど、舞台には夜公演というものがありまして。公演を終えて帰宅し、それから家事をしていると、そもそもの就寝時間が遅くなってしまうんです。だからもう何年も、夜更かしの生活スタイルが続いています。この長年の生活リズムはなかなか変えられないので、公演がないときも、ついつい遅くまで起きてテレビを見たりして(笑)。

中川 なにを見られるんですか?

白石 主に録画しておいた時代劇ですね。昔の時代劇は素晴らしいですよ。やっぱり役者が素敵だから、つい夢中になって見ちゃいます。

中川 お好きな作品や俳優さんは?

白石 歌舞伎の二代目中村吉右衛門さんが出ていた「鬼平犯科帳」は特に好きね。

中川 昔の時代劇は素晴らしいですよね。制作技術が継承されていってほしいと思います。

カーディガン¥82,500/ミランニ(ドレスアンレーヴ)、シャツ¥31,900/ナゴンスタンス、スカート¥18,000/バナナ・リパブリック、イヤリング¥11,340/アビステ

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Information

白石さんがA Iアバターで出演!宮川彬良×木村龍之介「ナツユメ」

「マツケンサンバⅡ」やNHK Eテレ「クインテット」でおなじみの作曲家・宮川彬良氏と、シェイクスピア作品を中心に手がけてきた演出家・木村龍之介氏のタッグで、シェイクスピア原作「夏の夜の夢」 を大胆リメイク。AIが主体となった未来社会を舞台に「ナツユメ」 として舞台化されます。白石さんは事前に撮影・計測したデータを元に作成したAIアバター(人口知能を搭載した仮想キャラクター) として登場。豊かな生演奏と最新テクノロジーを用いた注目作です。

【日時】2025年6月6日(金)~8日(日)
【会場】KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
【問い合わせ先】natsuyume2025@gmail.com

profile

白石加代子さん

白石加代子

1941年、東京都生まれ。1967年、早稲田小劇場(現SCOT)へ入団。「劇的なるものをめぐってII」「トロイアの女」などで世界80都市を巡演。1989年にSCOTを退団した後は蜷川幸雄氏の演出作品にも数多く出演し、映画やテレビでも幅広く活躍。1992年から始まった「百物語」の公演はライフワークとなっている。2023年、演劇界からは初となる日本芸術院会員に選出。

撮影・インタビュー/中川真人〔magNese〕 スタイリスト/宋明美 ヘア&メイク/MICHIRU3rd〕 文/工藤花衣

※素敵なあの人2024年4月号「フォトグラファー中川真人のまことのはなしVOL. 13」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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撮影・インタビューしたのは

中川真人さん

フォトグラファー 中川真人さん

1969年生まれ。ファッション誌や広告など多岐にわたって活躍中の写真家。雑誌の表紙やポスターなど、時代を象徴する俳優やアーティストたちを数多く撮影し、被写体や撮影スタッフからの信頼も厚い。昭和のスターが大好きで映画やテレビの作品やCMなどにも精通している。

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