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【60代エンタメ】笑福亭鶴瓶×原田知世が夫婦役の『35年目のラブレター』は心温まる感動ストーリー!重岡大毅×上白石萌音の好演にも注目!

読み書きができないまま大人になった夫が、65歳を過ぎて文字を習い、長年寄り添ってくれた妻に感謝の手紙を書くという実話をもとにした映画『35年目のラブレター』が3月7日(金)より全国公開されます。夫婦役を演じるのは、笑福亭鶴瓶さんと原田知世さん。若かりし頃の二人を、重岡大毅さんと上白石萌音さんが演じます。

奈良の町を舞台に心温まる夫婦の絆、家族愛を描いたヒューマンドラマ。この記事では、「映画ごはん研究家」の富田夏子が作品の見どころとともに、ある食べ物の登場シーンにも注目したコラムとして紹介します。

ここが見どころ

【1】実話ベースの日常を描いた感動ストーリー

映画35年目のラブレターより手紙を書く主人公

<ストーリー>西畑保(笑福亭鶴瓶)、65歳。貧しい家に生まれ、ほとんど学校へ通えず大人になったため、読み書きができない。仕事に就くのにも苦労したが寿司職人になり、やがて皎子(きょうこ/原田知世)と出会って結婚。結婚後も読み書きができないことを隠していた保だが、ある時ついに秘密が露見し、別れを覚悟する。しかし、皎子は「今日から私があなたの手になる」と告げ、どんな時も保に寄り添い続けてくれた。そんな皎子にラブレターを書きたいと、保は定年退職を機に夜間中学に通い始める。

西畑保さんは実在の人物で、映画はご本人からの聞き取りを重ねて監督が脚本を書き、4年かけて完成させました。主人公は貧しく複雑な家庭環境、いじめなどが原因で小学校に通えなくなり、若くして働き始めるも読み書きができないため仕事もままならず……そんな中で理解ある寿司屋の大将に出会い、皎子さんという優しくおおらかなパートナーを得て二人の娘に恵まれ、奈良の町でささやかに生きている姿を見るだけですでに涙腺がゆるくなります。

【2】夫婦役が息ぴったり

映画35年目のラブレターより若い頃の西畑夫妻

西畑夫妻が出会った頃、若かりし二人を演じるのは、重岡大毅さんと上白石萌音さん。2016年の映画『溺れるナイフ』以来の共演となる二人ですが、筆者はこの『溺れるナイフ』の重岡さんの演技に衝撃を受けて以来、今回もまた体ごと演じる姿に圧倒されました。上白石萌音さんも、映画初主演となった『舞妓はレディ』(2014年)で、日本各地の方言を操る姿から貫禄すら感じたのですが、今回も関西弁を完璧にマスター。初めて保が握ったお寿司を食べる場面での顔つきと弾むような声が印象的です。

笑福亭鶴瓶さんと原田知世さんが演じる現代の夫婦は、お互いを思いやる深い愛情に包まれていて本当に素敵。読み書きができない保さんの苦労は相当だったと思いますが、長年夫の代わりに読み書きに関するすべてを請け負い、子育てをしながら家を守ってきた皎子さんもきっと大変なことがいっぱいあったのではないかと想像できます。65歳で夜間中学に行きたい、妻にラブレターを書きたいと言った夫を叱咤激励し続けた妻の芯の強さを、原田知世さんがやわらかい笑顔の中で表現していました。

【3】中学での学びの様子に元気をもらえる

映画35年目のラブレターより文字の読み書きを習う西畑保と教える教師、見守る妻

保が65歳にして夜間中学に通い始める姿からは、年齢は関係なく、何かをやろうと思った時にやってみる勇気や元気をもらいます。

夜間中学の同級生の事情は様々で、戦争で中学校を卒業できなかった人、日本語を勉強したい外国人、ローマ字の表札が読めずに困っている配達員、不登校の若者など、年代も国籍もバラバラ。彼らを教える教師にも、夜間中学の教師になった理由があります。そこは義務で行く学校とは違い、本当に学びたい、教えたいという気持ちから来ている人ばかりなので、彼らが支え合いながら学んでいる様子を見て清々しい気持ちになります。生徒を見守り、粘り強く読み書きを教える教師役の安田顕さん。陰のある怖い役も似合いますが、今回は少し哀愁を漂わせながらも、笑顔が似合う温かさ全開の役柄です。

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この記事を書いた人

富田夏子

ライター/映画ごはん研究家 富田夏子

エンタメ&フード分野が得意なライター歴20年の経験を活かし、「映画ごはん研究家」として “映画とごはんをつなぐメディア”をSNS上で運営。映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。
雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は13年で、俳優や映画監督のインタビューを多数手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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