生活習慣病の予防に気を使っても、目の健康のことは二の次になっていませんか? 目の機能が低下すると、単に見えにくくなるだけではなく健康寿命に影響を及ぼしてしまうことも。いますぐ正しい知識を身につけ、対策をしましょう!
加齢や生活習慣の影響で年々、目の機能は低下していきます
アイフレイルとは、加齢に伴い目の機能が低下すること。年齢を重ねると体力や筋力が衰えたり、認知機能も低下しやすくなりますが、目にも同じようなことが起こります。
「若いときは健康だった目も40代半ばごろから老眼が始まり、見えにくい、目がかすむなど、徐々に機能が低下していきます。アイフレイルの原因は加齢に伴う変化のほか、緑内障などの病気や生活習慣などいくつかあります。
そのなかでもいま多い原因は、デジタル機器の使い過ぎです。昔よりスマホやタブレットを見る時間が増え、寝る直前まで強い光の刺激を浴びながら細かい文字を見る機会が多くなりました。これにより、目への負担が大きくなったことで、目の機能が衰えやすくなっています」と筑波大学教授の大鹿哲郎先生は話します。
そのほかにもアイフレイルの原因と考えられているのが、ドライアイ。最近ではどこでも空調設備が整っており、エアコンの風を浴びることが多く目が乾きやすくなっています。ドライアイは目疲れも引き起こしますが、“いつものこと”“休めば治る”と甘く考えて放っておくのは危険。
「たかが目の不調と考えがちですが、そのままにしておくと目だけにとどまらず、肩こりや自律神経失調症など体や心の不調にもつながることもあります。
また、目の機能が衰えることで外出しづらくなったり、自立した生活が送れなくなったりすると、日常生活が制限されてしまいます。その結果、健康寿命を縮めることにもなりかねません。そうならないよう、いまからしっかり対策をして、目の機能を維持できるよう日頃から気をつけましょう」