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2025年12月16日(月)
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なぜ60代は遺言書を書いた方がいいの?知っておきたい遺言書のメリット・デメリット【自分も家族も幸せになれる遺言書の書き方】

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なぜ60代は遺言書を書いた方がいいの?知っておきたい遺言書のメリット・デメリット【自分も家族も幸せになれる 遺言書の書き方】

この5年で「自筆遺言証書」を書く人が急増しているという法務省のデータがあります。 始めるなら気持ちにゆとりのある60代がおすすめだそう。そこで今回はなぜ60代は遺言書を書いた方がいいのか、そして遺言書のメリット・デメリットについて、弁護士の本田桂子先生に聞きました。

始めるなら60代、気持ちにゆとりのあるときに

この5年で「自筆遺言証書」を書く人が急増しているという法務省のデータがあります。 きっかけは2020年にスタートした、遺言書の原本と画像データを法務局に保管する 「自筆証書遺言書保管制度」だと、弁護士の本田桂子先生。

マスメディアで話題になったことも影響して、いまでは年間6万人近い人が利用しているそう。「遺言書があることで、遺族はスムーズに預貯金の解約や不動産の名義変更ができます。 だから、正しく作成されていることが肝心です」(※以下()内本田先生)

そのためには、「なぜ遺言書を書いたほうがいいのか」という理解と、「遺言書を書かないと 家族が困るかもしれない」という思いやり・想像力が欠かせません。価値ある遺言書を作成するための第一歩をご案内します。

私たちは遺言書をなぜ書いたほうがいいの?

書く動機はさまざまでも、遺言書には「遺族が財産を相続する際の負担を軽くしてくれる」効果があります。2020年、「自筆証書遺言書保管制度」が開始されて以来、制度を利用する人の数は右肩上がりです。

「メディアにも大きく取り上げられ、『自分で書けて、法務局で保管してもらえる』という利便性が注目されてきました。従来の自筆証書遺言は、家庭裁判所による検認に時間がかかりますが、自筆証書遺言書保管制度を利用すれば検認の必要がなく、遺言執行が迅速になります」

とはいえ、遺言書を作っている人は死亡者の全体の1割にも満たないのも事実だそうです。「それほどの財産はない」「家族仲がいいから」という気持ちが背景にありそうですが、最高裁判所の「司法統計年報」(令和4年)によると、遺産価格が5000万円以下の遺産分割に関する事件の件数が全体の8割近くにおよんでいます。

このような遺産分割に関するトラブルを避けるために、遺言書が役立つことは知られていますが、具体的にはどんなふうに役立つのかよく知らない人も多いのではないでしょうか。

「もちろん遺言書には、遺産の分け方をめぐって家族がもめるのを防ぐという役割もありますが、遺族にとっていちばんのメリットは、相続手続きが楽になることではないでしょうか。遺言書がないと相続人全員での遺産分割協議が必要になるため、相続人が遠方に住んでいたり、認知症だったりすると、預貯金の解約や不動産の名義変更に相当な時間がかかります。遺言書を作成して、そのなかで遺言執行者を指定しておけば、その人だけで相続手続きができるのでとても便利。ただ、遺言書の内容によっては、トラブルの原因になることもあるので作成には注意が必要です。たとえば、自筆証書遺言は、書き方を間違えてしまい、無効になるケースが目立つので、事前に遺言書の本や専門サイトなどでしっかりと確認したほうがいいでしょう」

では、最初から専門家に依頼するのではなく、内容が適正であるかどうかもわからないのに、自らの手で自筆証書遺言を書く意義はどこにあるのでしょう?

「弁護士の立場から言えば、確実に効力を発揮する遺言書を作るためには、やはり公正証書遺言の作成や、弁護士、司法書士などの専門家への相談をおすすめしたいところです。でも、私は、まず自分で遺言書を書いてみるのもいいことだと思っています。なぜなら、書くことで初めて、自分自身が財産の内容を正確に把握していないことに気づいたり、遺産分けを具体的に考えられるようになるからです。そのうえで、ただの『二分の一』『三分の一』ずつではなく、これまでの家族関係などを考えながら、誰にどのように財産を分与するべきかよく考えましょう。そして、そこから湧いてくる疑問や質問を事前にまとめてから、専門家に相談すると効率的です」

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本田桂子先生

弁護士 本田桂子先生

弁護士。大学卒業後、会計事務所に勤務したのち、行政書士、ファイナンシャルプランナーなどとして独立し、遺言書やエンディングノート関連のセミナーや出版など、多彩に活躍。2016年司法試験に合格、2018年弁護士登録。現在、東京・蒲田で、遺産相続や家族信託を主業務とする法律事務所に勤務。『そのまま書ける!パソコンでも使える!明日のための「マイ・エンディングノート」』、『マンガと図解で今すぐできる「思い」を届ける遺言書』(ともに技術評論社)など、著書多数。

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